Sting – 57th& 9th(ニューヨーク9番街57丁目)

去年(2016年)に発売された
スティングのアルバム
「57th& 9th(邦題:ニューヨーク9番街57丁目)」を
ようやく聴くことができました。

今回のは結構ロックだとは聞いていましたが、
ジャズやラテンファンクなどにも通じて行くような
上質な大人のポップスというイメージの
彼のソロ活動以降の音楽の中では
本当にロッキッシュだった♪
いや、彼のキャリアの中でもロックっ「ぽかった」というより、
ロックだった。

本来、ロックというのは
こういうものだと言わんばかりに、
奇を衒わず、ストレートに、
チープだけれど力強く、
ともすれば愚直なほどに、
「ロック」という音楽の要点を
まとめ上げる技は、
ロック本場の国の、
ロックという音楽を熟知した、
往年のロック時代の立役者ならでは成せる
もはや名人芸ともいうべき
サウンドでした。

本当にシンプルでストレート。
かつ、それでもスティング。

それがこの「57th& 9th」

ちょうど今の時期、
夏に日中ドライブしながら聴きたいアルバムですね。
今年の夏はジトジトで天気が悪い日が多いので
「57th& 9th日和」とはならないですが・・・。

そもそも、
ロックという音楽は
つまるところ
「若者の音楽」なのだと思うのです。
そこを
演るにしろ、聴くにしろ、
ある一定の年齢、それこそ40代とかまで
若い頃、あるいは現在の若い世代と混ざって
同じ線上で向き合おうとすると、
痛々しくなるものなのです。

どうあがいても
若い人の熱量にはかなわないから。

それをスティング、
2017年現在60代半ばの
はっきり言って「爺さん」が、
「ロック」を打ち出しつつ
線香臭くもなく、
かと言って小便臭くもない塩梅で
作品を仕上げることは、
音楽的な素養、才能も然り、
それまでに積み上げてきた実績、
そして構築してきた世界観や哲学、
それらが絶妙なバランスで揃っていないと
本当に「ただ、出しただけ」という
作品になってしまいがちなのです。

そういう意味で僕は、
このアルバムは
さりげないけれど、
何気にすごいな、と思ったわけです。

そして現在、音源製作中の僕は思った。

僕のサウンドは
無駄が多いわ(笑)

いい歳して、ペラッペラだわ(笑)