夏場の路上ライブでのパソコンの熱対策

※この記事は2018年3月25日に再編集しました。

5月25日。(追記:2014年)
僕のライブでいちばん怖れていた事、
つまりパソコンが止まって
ライブが進行できなるという事態が起きました。

原因は簡単に言えば、パソコンの熱暴走だったのですが、
こういうことが起こらないために
元々、僕も夏で路上ライブをやるのは無理だと考えていました。

しかし、僕もライブを入れる時点で
まさか5月にこれほど暑くなるとは予想外でして、
熱対策というものをほとんど施していませんでした。

路上ライブでのパソコンの熱問題を考察する

25日の場合、気温自体は
パソコンの動作保証の十分な気温内だったのですが、
直射日光と、コンクリートによるその照り返しが
熱暴走の原因になりました。
いろいろ検証しましたが、
おそらくCPUよりもSSDの方が先に逝ったのではないかと
推察しています。

特に現行のMacBookシリーズというのは
その筐体自体が放熱効果をもたらす作りになっているので、
当然熱伝導も早く、加えて
ただでさえパソコン内部は動作の熱で
ぐんぐん熱くなるところに、
外部からの直射日光による熱で
筐体が熱せられて、内部の熱が逃げなかったのが
原因のだったのではないかと考えています。

そして次のライブの5月31日、(追記:2014年)
名古屋はもはや夏と言って差し支えない気温となりました。
もちろん晴れていました。

本当だったら、こういう気候は
さけてライブの予定を組んでいたのですが、
ライブが決まっている以上、
「真夏」の環境下でもやらなくてはならない。

25日にパソコンが止まるライブをしたその後、
すぐに熱暴走対策に乗り出しました。

ワゴンの棚をヒートシンクに

というわけで、
過酷な気候のもとで
パソコンをとにかく冷やそう。
そう考えて
写真 2014-05-31 12 20 53

こういうものを用意しました。

キッチンワゴンです。
大きさ的にはだいたい10Uのラックくらいの大きさです。
お値段は3000円弱。

赤丸で囲った下段の篭の部分ですが、
ここでは
断熱シートをいちばん下に敷き、
路面の照り返しの熱を遮断し、
かつさらにシートの上から
ノートパソコン用の冷却ジェルシートを乗せて 、
断熱シートを超えてやってきた熱を吸収させます。
冷却ジェルシートの効果については
ある一定の温度になるとその効果は
無きに等しいくらいになるのですが、
無いよりはましです。
そしてドリンクにもなる(笑)
ペットボトルの水も本番までは
ここに置いておいて、
冷却ジェルシート同様、熱の吸収に回しました。
写真 2014-05-31 12 21 05

こういう感じでつまり、
篭の棚の部分全体をヒートシンクにしたわけです。
そして上の金属のトレーの部分に
パソコンを設置します。

写真はありませんが、
この篭の段と、上の穴の空いた金属のトレーの段では
篭の段の方が1℃強、周辺温度を低く出来ます。
自宅での実験で、
日中、トタンのベランダの面温度が
50℃を軽く超える状態で
この断熱シートでくるんだキッチンワゴンを
そこに置いた時、
少なくとも30分程度の間
ワゴン内の温度は30℃程度を保っていました。

もちろん、ここで重要なのは
ワゴンの外と中で20℃の温度差を作る事ではなく、
直射日光やその照り返しから来る
異常な高温状態から守り、
パソコンの周囲の温度を常温状態のまま
保つ事にあります。

実際の効果は?

その日、その会場の外気温は
およそ34℃でした。
ワゴンの中の温度をもっと下げる事も可能ですが、
気温34℃ならまだパソコンの動作保証範囲内ですので、
ここからパソコンを熱くさせない処置をする事にします。

路上ライブ前に、会場で
いろいろと温度を見ながら
結局、こういう状態になりました。
写真 2014-05-31 13 24 09

やはり直射日光と照り返しの路面温度が
悪さをしている事が分かったので、

扇風機での冷却は当然として
日傘も使って徹底的に日光を遮断しました。

実際、本番の時間
ケーブルが届くステージぎりぎりのところに
運良く木陰が出来たので、
せっかく熱対策をして
わざわざ日光にさらす事も無いので、
そこにワゴンを設置しました。
本当はもっとオペのしやすい場所に設置したかったのですが。

写真 2014-05-31 14 28 04

ライブも終わり、
ワゴン内は動作保証温度の範囲内で(ぎりぎりですが)
キープする事が出来ました。
重ね重ね言いますが、
これはもちろん「冷却されて」この温度になったのではなく、
日光などの熱上昇を回避して
外気温にキープされたものだと思います。

スクリーンショット 2014-05-31 17.11.27

小さくてみにくいですが、
このグラフはCPUの温度の推移です。
スパイクになっている部分が
ライブをやっていた時間で、
最も高い時でも73℃と
CPUならギリギリ平熱を保てています。

熱暴走の原因はCPUだけか?

ここで疑問なのは、
5月25日の暴走は
果たしてCPUの熱暴走だったのかという点です。

僕の今回の場合では、
画面が完全にフリーズし、
入力デバイスが完全に受け付けなくなるという
典型的な熱暴走の症状が出たのですが、
ただ今のCPU(僕のMBAはi7)は
熱くなりすぎると安全装置が作動して、
自動でCPUを冷ます動作をしたり、
それでも無理な場合は
強制的にシャットダウンするようになっているそうで、
どうもCPUが熱くなりすぎた状態の挙動、症状とは
少し違う気がします。

それに、確かに直射日光や照り返しで
異常な高温になっていたとしても、
暴走した日というのは
外気温が30℃いくか、いかないか、
その程度の気温だった筈です。

SSDは熱に弱いと聞きますし、
もしかするとこっちが先に
暴走した可能性も否定できませんが、
これはさすがに
勿体ないし、怖いし、馬鹿らしくて検証できません・・・。

パフォーマンス本番、それでも同期が暴走したら?

あらかじめ、同期の流す音を
CDに焼いてPAの人に渡しておけば、
ほぼ似たような音で演奏を流す事は出来るのですが、
僕の場合、ギターの音もシステムに組み込まれている都合上、
全く同じで音というわけにはいきません。

また、ちょっとしたバランスの不具合が
かえって逆に気になって、またトラブっていると言う
メンタル的な諸条件も重なり、
リハーサル通りにはまずパフォーマンスは出来ません。

というわけで、同期のパソコンが暴走した場合、
もう開き直って演者も一緒に暴走するに尽きるでしょう(笑)
最終的にはパソコンが暴走した事を
ハプニングというイベント化してしのぐしか無いのだと思います。

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