はるさめ

雨。
雨は嫌い。
学生の頃、僕の中では
雨の日は休校日でしたから・・・。
それくらいに雨は嫌い。
夏の雨はじとじとしてるくせに騒がしいから嫌い。
秋の雨は寂しい時に出る涙のように静かだから嫌い。
冬の雨はただただ痛くて惨めになるから嫌い。
でも春の雨は
まんざら嫌いなこともない。
春の雨はいのちを育てるから。
土の上にうち捨てられた花の種を芽吹かせるから。
天に向かって両手をおおきく拡げるように
木々の枝に生きるちからをみなぎらせるから。
春雨は
冬の寒さに怯えて閉じこもり
埃の積もった心を洗い流してくれるようで
なんとなく心軽く、嬉しくさせてくれる。
傘をさした道すがら
おおきく深呼吸をして
春雨の息吹を心と身体に吸い込んで
昨日よりも
ほんのちょっぴりだけど
元気になっている自分とばったり出会えた
雨上がりの夕暮れ


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