虹を掴め

初夏。
日差しのまぶしい季節。
光の粒がさんさんと降り注いで
命の息吹を振りまいている。
この光景こそ、
僕、鮎沢郁弥(元Lalah Luminoux)が
音として表現したかった事。
まあ、それはどうでもいい事として・・・。
ふと、以前目にした
こんな時期のとある光景を思い出した。
噴水から吹き出る水しぶきに光が乱反射し
虹ができているのを、
3歳くらいの小さな子供が珍しがって
捕まえようとしていたのだ。
もちろん捕まえられるはずがない。
でも、その子供は一生懸命
目の前に映し出された七色の光のプリズムを
掴もうとしている。
僕はそこを通りかかっただけだったが、
なんとも愛らしい光景だった。
僕ら人間も、
必死になって見果てぬ夢を
掴もうとしては掴み損ない、
それでもまだ諦めようとせず
何度も、何度も手を伸ばす。
もしも神様がいるのなら、
そんな僕らの姿を見て
愛らしく思ってくれるのだろうかな?