Bleu Noir – Mylene Farmer

かれこれ10年近く前でしょうか。
僕のブログでも度々、
取り上げていた
ミレーヌ・ファルメールという
フランスの歌手。

1990年代の中ば(まだバンドやってた)から
10年くらいの間、凄くハマっていました。
うん、過去形ですね。
「好きでし『た』!」と言われた時の
何やら心の中で相克される
虚しさを伴う言葉ですね・・・(笑)

いや、それはいいとして(笑)
彼女という人はデビュー以来から
10年以上変わらず、
ロラン・ブトナという
同じプロデューサー兼作曲家というか、
作曲家兼プロデューサーの元で
いわばコンビのように作品を出し続けた人で、
それで脂が乗っていた時期は
「うぉお!もっとやってくれ〜〜」な
感じでテンションも上がったものだったのですが、
いかんせん、
ワンパターンが過ぎたようで、
本国フランスの人からすれば
それはどうなのかは知りませんが、
日本人的な感覚で言えば
完全に飽きられるパターンだったようです。

様式美と馬鹿の一つ覚えの差というのは
紙一重だなぁと。

ともあれ、
彼女の制作側でも
そのワンパターンを懸念する声が
あったのか、なかったのか、
ミレーヌ・ファルメールという「芸」に
一抹の辟易を感じるようになった頃に、
それまでずっとプロデュースをし、作曲をしてきた人の
タッチしない作品、
つまり、ロラン・ブトナの関わらない
新しいクリエイターによって作られた楽曲を揃えた、
ある意味「企画もの」っぽい作品が
この「Bleu Noir」

この「ブトナ抜き」プロダクションは
それなりに好評だったのでしょうか、
数年後にも、「ブトナ抜き」のアルバムを出しています。

この「Bleu Noir」は
ミレーヌ・ファルメールの
マンネリ打開の過渡期に作られた作品で、
若いクリエイターの新鮮な感性で
当時40歳越えの彼女に
若返りの魔法をかけたものだったのでしょう。
まあ、魔法はいつか解けるんだけどね・・・(笑)

なんか、褒めているのか
貶しているのかよくわからないレビューですが(笑)
この作品の聴き心地は
ミレーヌ・ファルメールの世界観である
ダークさはそのままに
それまでの作家であったロラン・ブトナの
「灰汁を抜いた」
あっさり、スマートそしてスタイリッシュな聴き心地。

小洒落た寂寥感はまさに、
青く、そして黒い、
「Bleu Noir」なのです。

地味ながら名盤だと思うのです。

このアルバムが出た頃というのは、
僕自身、メンタルが崩壊して
大量の精神薬で人格すら崩壊していた時期でもあるので、
そういう経験も結びついて
僕の中では印象深い作品のように感じるというのも
あるのかもしれませんが・・・。

いや、10年近く経過した今聴いても、
客観的によくまとまっていると思います。
このアルバム。


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