ハノイロックス。
僕の人生において
ハノイを聴きたくなる時期の波が度々訪れます。
今、結構波がきてる。
今となっては、
ハノイとは似ても似つかない音楽をやっている僕ですが、
それでもやはり、僕の音楽生の根っこの土台、コアの部分には
ハノイロックスの「音楽」というより
彼らの「音楽への向き合い方」みたいなものが
少年時代から変わらず僕の中で息づいています。
高校生くらいの頃、
まだ「音楽の作り方のノウハウ」をよく知らず、
音楽はこうやって作る物だという理解を
『理論的に』把握しかけてきた頃に、
いや、もっと感性の領域から湧き上がる物を
思いつくままどんどん、素直にしていけばいいんだぜ、
ということを教えられたのはハノイロックスであり、
僕はいまだにそれを実践しているのです。
そう。僕の頭の中の
音楽生成装置を起動してくれたのが
ハノイロックス。
もちろん、ハノイこそが
その生成装置を起動してくれる
無二のキーだとは言いません。
その起動キーをくれるアーティストは
人によって様々であって、
僕の場合はハノイロックスだったというだけのこと。
でもさあ。
この曲、ちょうど40年前の曲なんですよ。
「Tragedy(邦題:白夜のトラジディ)」
そりゃ、僕も50歳に到達して
感性自体も歳なりのもの(つまりオッサン)
だとは自覚はしているけれど、
この曲を聴いて、
確かに最新の音楽ではないし、録音は古いとは思うけれど
楽曲自体の佇まいというか、雰囲気というか
そういったものは別に時代を感じさせることなく、
「今」の感覚で普通にかっこいいと思うんだけどなあ。
ハノイロックス「Tragedy」収録アルバム。
『Bankok Shocks Sigon Shakes(邦題:白夜のバイオレンス)』