こんなご時世だからこそ、あえて薦めたいガンダム

本当はこのカテゴリでの
言説は終了にしたつもりでいたのですが・・・。

お題は「ガンダム」
とりわけ、カテゴリ名の通り
「ターンエーガンダム」という作品についてですが。

まあ、直撃世代ですので
程度の多少こそあれ
いろいろと「ガンダム」の影響を
いたしかたなくとも受けている
年代ではあることを差し引いても
いわゆる「ガノタ」と呼ばれる
ガンダムオタクの
レッテルを貼られたくないという
僕の自我の抵抗もあって、
「どうしても言いたいこと」だけを書いて
結びとしたのです。

2015年現在扱っているカテゴリ、
「生命」や「愛」というものは
実はその起点にこの
「ターンエーガンダム」があって、
そこから展開して広がったフィロソフィです。

けれど、日本の世の中が
このカテゴリについて書いた時期とは
変わりつつある情勢の中、
もう一度言いたい。

安保法案、
第二次世界大戦による諸々の歴史認識、
戦うこと、そこから転じて
競争することの功罪、
戦わなくなった人たちの行く末、
そういうあらゆる
「人類の緖問題という苗床」に生きる人間が
科学技術や産業をどう扱おうとしているのか、
扱って「どう生きよう」とするのか。
あるいは「生きること」をどのように管理するのか。

これらの現実の事柄が
まるで「人類の営みの箱庭」でもあるかのように
時には直接的に、
あるいは暗喩として織り込まれ、
それらが今、この現代の空気を浮き彫りにしている。

今、この時代にこそ活きる作品だと思えます。

ガンダムだの、アニメだの、
オタクコンテンツだの、
そういう色眼鏡を排除して、
フラットに、いち作品として
今一度、吟味して欲しいです。

以前も言いましたが、
見たところで何かしたらの回答など
得ることはできないでしょう。

しかし、この作品の中に
息づく登場人物、
そして彼らを中心に巻き起こる
エピソードは、
間違いなく現実の
人類のディフォルメだと確信します。

現実を生きる僕らの世界で
突き当たる苛立ちや、
越え難い壁、
乗り越えるべきであろう葛藤、
そうしたものを抱えつつ
この作品のなかの人々は
「人として」生きている。
そんな今の世情を四半世紀も前に
言い当てている。

今、こんな時代だからこそ
この物語を多くの人に知って欲しいです。