施し

先日、お金持ちが
100万円あげる、とかいう
遊びなのか、何なのか、
真意の見えかねることをやっていました。

ああいうのを、他のお金持ちの人は
もっと真似をしてバンバンやっていいと思うのですが。

いや、それで僕に金くれ(笑)とか
そういうのではないのですが、
捨てるほどお金が余っている人は、
それこそ「遊び感覚」で
お金をばら撒いたほうがいいと思っています。

一人、二人がこそっとやって、
大きく話題にも
取り上げられる(真偽も含めて)ことなく、
なかったことにようになってしまっているのが
不思議なのですが、色々と。

じゃあ、お前がやれと言い声が聞こえてきますが(笑)、
あいにく、自分の日銭にも困っているので無理。
イムパァッセボォ

それはともかく、今回言いたいのは、
誰がお金をばら撒くか、
という話ではなく、
こういう「ばら撒きキャンペーン」は
今の利益至上の経済主義の
最後の現象のような気がする、
というのが今回の本題。

これはつまるところ、
富がいかに偏って
一極集中しているかを示す、
イベントのような気がするということ。

こういうイベントが頻発すると、
「経済システムとしてのお金の価値」
ではなくて、
「人の認識としてのお金の価値」は
間違いなく変わっていくと思います。

その価値観の過渡期に、
今、達しているのだということ。

従来の経済システムにおいて、
少なくとも日本人の場合であれば、
一生懸命働いて、コツコツ貯めて
大切に使って、残ったものは子孫に引き継ぐ、
これが人の「お金観」だったと思うのですが、
この考え方は完全に旧い価値観になってしまう
可能性を含んでいるのかもしれない。

実際、今の莫大な富を得る人は
大して働いていません。
それほどふかくも考えていない。
金脈を見つけてたとえ乱暴にでも、
そこからごっそり富を強引にもぎ取って、
持て余すしている感じがするのです。

僕は、これを悪だとは思いません。
むしろ、これは
旧来のお金の価値観を壊して
次の経済システムのための「肥やし」を
作っているように見えるからです。

世界中の大金持ちがこれをやり始めると、
今の国家は崩壊します。
そして、お金をばら撒いた人と王とした
それにたかる人の住む国が
新しく生まれるかもしれません。

そもそも、「国家」というもののルーツは
それなのですから、
さしずめ、これは単なる世界秩序の再構成の
プロセスだったりするのでしょう。

と言っても、
既存の国家が上記のようなパラダイムシフトを受けて
崩壊することは、ありえないでしょう。
崩壊はしないけれど、形骸化はするのです。

食い散らかされて腐敗すらしている資本主義と
それによって立つ国家は、形骸化し弱体化し、
体裁と手続きだけが残って
巨大な企業がその宿主の中で
昔の社会主義のような秩序を構築して
民衆をまとめる世界です。

前回の記事のスーパーの品揃えにも
通じることではあるのですが、
季節によって、いつも同じ品物を
不足することなく潤沢に供給されている、
つまり、
「ここにあるもの以外に選択の余地がない」時点で、
すでに
『貨幣をチケットにした配給制』が
完成してしまっているのです。

スローガンは
「定額制」
「サブスクリプション」
「ポイント」

そして
「Sign up, now!」

企業が主体となって
顧客の情報をしっかり管理し、
宿主たる国家にも死なない程度に富を分配し、
そうして延命される国家は単なる
国民(顧客)の戸籍のライブラリとして
機能をする存在になっているでしょう。


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