ありがとう、XP-50!

先週、かれこれ20年以上使っていた
シンセが売られていきました。

少し前に、内蔵メモリの
電池切れから延命されて、ずっと使ってきました。

ローランドのXP-50という奴なのですが、
なにぶん、1990年代後期の
ノスタルジーもない、中途半端なロートルがゆえに、
このシンセ自体の音はめっきり使うことはなく、
晩年はもっぱら、
メトロノームの音や、和音やベースラインの
音に使う程度でしたが、
ついこの間までは、打ち込みの入力キーボードとして
普通に使っていました。

売りに出したのは、
単純にキーボードの2台持ちは
部屋の場所を取るという理由と、
下の写真のように、
パソコンのディスプレイを平置きのように
したかったと言う理由からです。

こんな感じで。

以前の、

こんな感じの角度だと
長時間の作業では
首や肩がパンパンに張って
とてもひどい首コリになってしまうのです。
これが結構切実な理由。

そして「見た目」的な理由にしても、
昔、それこそこのシンセが
バリバリ現役だった頃というのは、
往年の小室哲哉氏のような
シンセの要塞のようなものがかっこいいと
思えた時期もあったのですが、
こういう機材の進化と
僕の老化(笑)も相まって、
極力シンプルな環境でも十分に求めるものを
作ることができるようになったことで、
よりナチュラルな制作環境にしたくなったのです。

例えば、生前のジョン・レノンのように
部屋にアップライトのピアノとマイクとギター数本
みたいな、「音楽にとって必要最低限」だけが
あるような環境の方が、
必要なインスピレーションだけを取って来れるような
そんな気がしたりとか。

もっとも、
音楽制作にパソコン(コンピュータ)が
必要不可欠なものとなった「今なりのスタイル」ですから
ローテクに戻るということではなく、
ハイテクなツールは極力、シームレスにして
そういう機器でコントロールされていることを
意識しないまま、純粋に音楽のことを考えられるように
できたらいいな、と。

分かりやすく言うなら、
自動車の運転をするだけなら、
良好な視界と、ハンドルと、ペダル類、座るところ、
これだけあれば良いわけで、
いちいち、エンジンやギアのことなんか
気にしない方が、自然だよねと言うことです。

こうやって度々、僕の機材は売られていきますが、
「もう要らんわ、ぽ〜い」
と売ることはしないようにしています。
と言うか、そう言うことはできないですね、性格的に。

しっかり使ってきた以上、売りに出すときは
それまでの機材の垢を落とすように、
そして今までありがとうと言う感謝を込めて
しっかりクリーニングします。

こう言うことは大事だと思っています。


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