長く使おう

先日、発表されたiPhoneの新機種。
そのティム・クックCEOのプレゼンの中で、
(ソースが見つからず不正確ですが・・・)
「良い物を長く使って欲しい」
と言うような旨の話をしたと、
ネットのニュースで読みました。

これは、うがった見方をすればおそらく、
代わり映えがしないのに妙に高額な新製品(iPhone)
に対する一つの逃げ口上とも取れなくはないのですが、
この、「良い物を長く」という言葉を
そのまま好意的に理解するなら、
それはまさにその通りであるとも思えます。

僕が思うに、
今ほど高性能のスマートフォンを
2年やそこらで買い換える(買い替えさせる)
ことの方が、異常というか
狂気の沙汰だと感じます。

10年は厳しいかもしれないけれど、
不慮の故障は別として、
普通に、常識的に雑に使ったりするでもなければ
最低でも5年以上は使える製品です。
少なくともiPhoneやiPadは。

これはスマートフォンなどの
デジタル機器だけに言えることではありません。
衣類や食品、そして娯楽もそうでしょう。

大量生産、大量消費、大量廃棄(リサイクルはするにしても)
この消費スタイル、そして
それを前提として営まれるライフスタイル、
こうしたものはもう完全に限界にきていると思います。

この仕組みは巡り巡って
今、地球環境に相当な悪影響を及ぼしていると、
そろそろ多くの人が気付き始めているし、
今の経済の利益の上げ方というもの自体が
じわじわと人間の心それ自体を
蝕んでいるのです。

最近のTVCMの
無理やりにテンションの高い
キンキンの絶叫、怒声ナレーションの
どれほど多いことか。
それほどに、今の資本主義経済というのは、
それこそ呪詛のような気味悪さを感じるのです。

利益を得ようというより、
むしろ人から利益を奪っているかのような
やり口。

利益至上で経済を回しすぎると
人も地球も壊れる。

世界の経済は今、上述した
大量生産、大量消費、大量廃棄
という不気味な渦を巻いて
人間を飲み込もうとしているのです。

飲み込まれて人はどこへ行くのか。

今年の夏の異常気象、災害は
その結果のプレビューを
見せられているような夏でした。

冒頭の「良い物を長く」という考え方は、
経済というブラックホールの引力から逃れるための
最初の起点になりうる考え方である気がします。

経済のサイクルをもっともっと
スローダウンして、
この地球の自然界にある
あらゆる環境系をクールダウンして
癒す必要があるのではないでしょうか。

それは可能なことでしょうか。

もしかしたら不可能かもしれません。

なぜなら、未だ人の心は
平和ではないから。

平和にならなければ、
この狂気のサイクルを
自然の営みの範疇に戻すことは
無理である気がします。


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