Charlotte Gainsbourg – Rest

昨年(2017年)にリリースされた、
シャルロット・ゲンズブールのニューアルバム。
「Rest」

久々に、実にフレンチらしいフレンチを聴いた気がします。

まあ、シャルロット・ゲンズブール自体が
セルジュ・ゲンズブールと
ジェーン・バーキンの娘なわけで、
いわば、ドーター・オブ・フレンチ、
というか、フィーユ・ド・ラ・シャンソンと言うべきか。
まあ、僕と同い年(3日違いだそうな)ですから
フィーユというよりマダムですけど・・・。

僕自身、ジェーン・バーキンのファンですが、
シャルロット・ゲンズブールは
ほとんど聴いた事がありませんでした。

「どうせ、女優が片手間にやってる作品だろう」
とタカをくくって聴いた事がなかったのですが、
この「Rest」というアルバムを聴いて
僕は、自分のそういう偏見を正して、
意地悪な評価は撤回すべきたと痛感しました。

かっこいいぜ!
おじさん、「わがままシャルロット」(映画は見てるあたり・・・笑)
から知ってるけれど、
いや〜嬢ちゃん、大人になったねぇ!

誰だよ、自分・・・。だから同じ歳の人だって。

リード曲の「Rest」はダフトパンクのプロデュース、
ポール・マッカートニーも1曲、楽曲提供、
メインのプロデュースにセバスチャンというテクノ(ハウス)界隈では
名の知れた人を起用し、
なかなかにゴージャスな布陣で制作されているだけの
クオリティを誇っています。
けれど、そういうビッグネームの顔ぶれを抜きにして
一切の先入観を排除して聴いても、
この作品は、直感的に
そうとうな傑作の匂いがプンプンします。

ミレーヌ・ファルメールをよく知っている人が聴くと、
近年のミレーヌが色々なプロデューサーを起用して
コンピレーション的にまとめた「外注物」のアルバム、
例えば「Bleu Noir」だとか
「Interstellaires」とか、ああいう雰囲気を
もっと重厚かつ、ローファイな暖かさを加えたような
耳触りのアルバム、と形容すると、
その音の印象が見えてくるかも知れません。

シャルロット・ゲンズブールのウィスパーボイスは
当然の母親譲りのものでありながらも、
おそらく彼女(シャルロット)の世代的に
ミレーヌ・ファルメールあたりからの唱法(というか芸風)の
影響(意識していないにしても)ものぞかせつつ、
フレンチポップをヘビーにフォローしている人からすれば、
真新しさではなく、
むしろノスタルジーにも似た
安心感を与えてくれます。
フレンチってこういうもんだよな〜、と。

実際、僕自身、まだ歌詞を確認はしていませんが、
作詞はシャルロット・ゲンズブールによるもので、
歌詞の内容自体、
プライベートな部分を切り取った内容のものだそう。
その辺りからも、
この彼女の中における、このアルバムの
比重の高さも伺えます。

このアルバムの発売から、
まだ1年経っていないのですが(2018年1月現在)
YouTubeの方には
相当量のミュージックビデオが
オフィシャルでアップされています。

お暇な方は、それを覗いて見るのも
いいかも知れません。

全編、こういう雰囲気で
グイグイと引っ張っていってくれる気持ちよさ!