ストーカー事件に思う


今日、ニュースを見ていたら

ストーカー殺人の
ニュースをやっていました。
女性がストーカー被害を受け、
結局最後は殺されてしまったという
ニュースです。
たまに聞きますよね。
こういう話。
別れ話のもつれとか。
非常に残念です。
これは恋愛に限った事ではないのですが、
一度、人から拒否されたら
もう、その人の生活の中に
入り込んで、干渉してはいけないです。
恋愛で言うなら、
基本的には
振られたらもう
その人とは関わってはいけない。
物理的、立場的に
関わらずを得ない場合でも、
もうその人の
現実の中へ入っていこうとしてはいけないのです。
もちろん、
諦めきれない気持ちも分かります。
二度三度、再アタックするもの良いですが、
相手が本当に迷惑をしていれば
それは普通、空気で分かりますよね。
脈が無いと悟ったら
きっぱり手を引いて
「その人の世界」という
舞台からは降りなければならない。
これは恋愛のルール。
鉄則です。
さらに付け加えるなら、
振られた後はもちろんのこと、
恋愛関係を結ぶ以前だとか
告白をする以前の状態に置かれた時でも
それは同じ事です。
好きな人から
望まれていないうちは、
その人の生活の中に
深く干渉する行為も
また同じくルール違反です。
一足飛びに
好きな人の現実の中へ
入っていけるほど
恋は甘くはない。
何重にもかけられた鍵を
愛と信用の証しを見せて
ひとつづつ
解いてもらう行為なのですよ、
片思いというものは。
じっくり
自分を見てもらい
本当に信用されてはじめて、
その好きな人の
「心の世界という舞台」に立つ事を
許されるわけで、
しかも
舞台に立てたからと言っても
果たして自分が
恋人役を演じる事が出来るか、
それはそれでまた
相手の判断次第だし、
その判断を
自分がコントロールする権利は無いし、
実際、自分の思うように
コントロールなど出来ません。
好きだからと言って
必要以上に詮索し過ぎては
相手も良い気はしません。
自分がそうされる立場に
なった時の事を
想像すれば理解出来ると思うのです。
好きでもない人に、
あれやこれやと
調べられたり、訊かれたり、
押し掛けられたりしたら
怖いし、気持ち悪いですよね。
これこそ
ストーカー予備軍ですよ。
そこを想像出来るかという事なんですよね。
一緒にいたい。
その気持ちは分かりますが、
双方がそのように思わないと
この願いも成立しないのです。
相手が自分の事を
どう思おうが関係ない。
とにかく自分のそばに
いて欲しい、そう願うのなら
それは本当に愛しているとは言えないです。
ただの執着です。情念です。欲情です。
本当に愛しているのなら、
その人の幸せを
まず第一に考える筈です。
その人が
自分と一緒では
幸せにはなれないと
言っているのなら、
そこは自分が身を引いて
その人が一番幸せと感じる
現実を生きて欲しいと願うべきです。
そう考えてこその愛なのですよね。
それこそが真の純愛です。
以前も少し触れたように、
これこそが
「人を愛しきる」という事なのです。
結果がどうという話ではないのです。
もうその人の現実には
関わらない。
そうけじめを付けるもの愛ですし、
振られた人間は
まさにここで
真の純愛を問われるのです。
真の純愛であれば
その人を思い切って手放せるものです。
もっとも
愛する人を手放すという行為、想いは
恋愛関係にあっても
同様に問われる問題でもあるのですが。
恋愛でも、他の人間関係でもそうですが
相手に対する
慎みと思い遣りを
持つべきですよね、
という話なのです。
まあ、本当のところ
自分が感じる「好き」という気持ちは
あくまで
自分から湧き出てくるものであって、
「好きな人」が与えてくれる
ものではないのですよね。
たまたま自分から湧き出てくる
「好き」という気持ちに
対象となる人の存在が重なっているだけで、
「好き」という気持ちを引き出してくれる人は
その人だけに限ったわけではないのです。
「好き」という気持ちに
また他の人の存在が重なれば
前に「好き」と感じた人の事など
わりとどうでも良くなるもの。
早い話、
男は星の数ほどいる。
女も星の数ほどいる。
そういうことなんですよね。
中島みゆきさん流に言うなれば、
「あなたがいなくても愛は
まるで星のようにある
どうせ砂のようにある」
わけですよ。
対象となる人に執着し、
限りある人生の貴重な時間を
それだけに費やすより、
自分の心から沸き上がってくる
「愛する気持ち」こそを大切に
見て、感じることは
人生にとって大きな財産となります。
本当の魚好きは
焼き魚のはらわたの
一番苦くて、臭いところまでも
好んで食べると言いますよね。
恋もこれと同じ事。
「失恋を愉しむ」
くらいの心の広さがないと、
どんな恋も辛いものになってしまう。
せっかく頂いた恋も
全部頂かないのは
もったいないです。
またそれは同時に、
過去の恋の傷をも
癒す事に繋がるのですよね。