美しい者

お昼にちょっと用事があって
外出したんです。
その帰りの道すがら、
松葉杖をついて歩いているお爺さんと
すれ違いました。
年の頃にして70がらみ
といった感じだったでしょうか。
特に見るでもないのですが、
松葉杖を付いているだけに
自然と目が足元に行ってしまうものです。
ふと見るとその人、
左足の膝から下がありませんでした。
そのお爺さんは
特に大変そうな様子も無く、
普通の表情で
普通に歩いていました。
こんな現実を受け入れているんだと思ったら
なんだかそのお爺さんが
もの凄く美しく見えてきたのです。
こういうシチュエーションでは、
大変だねと
いたわりや同情といった感情を持つのが
普通のような気もしないでもありませんが、
そんな感情は一切、沸かなかったです。
ただ美しかった。
僕は何を見たのでしょうかね?


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