本格的レコーディングを前にして

今回のアルバム収録分の
楽曲のデモはかなり以前から
出来てはいるのですが、
その中の1曲のテンポを
少し落とした事もあり、
もう1回
その曲のデモを作り直しています。
また最近家にきた
レスポールJr.の音の使い方の
ニュアンスを把握する目的もあるし、
他の機材の設定関係も
それらの扱いを
把握しきれていなかった頃のまま
なんとなく10年近く変えずに
今まで来てしまったので、
それもゼロベースで見直す目的もあります。
そして何より
楽曲のアレンジ、録音の方法論も
アプローチを変えて
作ってみて、
その仕上がりの結果を聴いて評価したい、
というのもあります。
今まで僕が、ネットで
公開してきた楽曲は、
アレンジ等のアプローチが
20年近く前のものなんですよね。
具体的には
「音の壁を作る」というもので、
ギターの音をたくさん重ねて
仕上がった音が分厚く感じるように
楽曲を録音していく方法です。
今、これをやっている人
あまり耳にしません。
さすがにこのアプローチは
いい加減古いと思ったし、
少なくとも僕の聴いている音楽に限っては
最近、シンプルなスタジオワークを
みんな意識しているんですよね。
楽曲のアレンジとしても、
また録音作業においても、
出来る限り音を省いて
必要最低限の
選りすぐられた音だけを
奇麗にしっかり聴かせるような
録音方法。
まあ、こう書くだけなら
簡単な話なのですが、
なんせ僕、素人ですから・・・。
素人が買える範囲の
レベルの低い録音機材しか持っていないし、
録音する環境も
何の防音処理もされておらず、
電気ノイズがバリバリ入ってくるような、
普通の家の普通の部屋なわけで、
プロのスタジオ環境とは
天と地ほどの差があるのです。
これ、現実です・・・。
このような環境で
奇麗にしっかりと録音する事は
非常に難しい話になってきます。
でも
「そんなの無理」は甘えと戒め、
自分の部屋で最高の音が録音出来るよう、
いろいろ試行錯誤をしているわけです。
こういう地味な作業が
楽曲に命を吹き込んでいくのですよね。
ビートルズの楽曲なんて、
今の技術からすれば
本当に貧相な録音環境で録音された
音源にもかかわらず、
今でも熱心に聴かれ愛されている。
その事の理由と意味だけを
ひたすら信じています。