Kate Bush – The Sensual World

ケイトブッシュの曲たちの中では
この曲は円熟期にあたるものだと思います。
昼の曲でも触れたことですが、
初期の楽曲に漂う
とてつもない神々しさは
薄らいではいきますが、
アーティストという人間の
一つの到達点の域に達したと感じるのは
今回紹介する曲の収録されている
アルバムからだと思います。
彼女のアーティスト人生という
ドラマのシーンがあるとするなら、
地球に舞い降りた妖精が
この星、あるいはこの星の人に
恋をして、
その愛を貫くために
魔法の力を持つ妖精から
何の力も持たない
ひとりの人間の女性に
転生したシーン、
というイメージ。
魔法の力は無くなったけれど
人間を愛する能力は手に入れた
的な・・・。
このアルバム以降は
曲は発表しなくなっていくのですが、
デビューから現在に至るまで
一貫して貫かれているコンセプトは
『愛』なんですよね。
とにかくケイトブッシュの音楽からは
愛を感じます。
そしてこの曲。
アルバムのタイトルチューンでもある
「Sensual World」
この曲の歌と歌の間を
縫うように奏でられる
フィドル(バイオリン的なもの)と
(多分木製の)フルートによる
ユニゾンのメロディが非常に印象的です。