「In other words」の妙

Poets often use many words to say a simple thing
(いつだって詩人は
単純な事を伝えるのにたくさんの言葉を使う)
It takes thought and time and rhyme to make a poem thing
(一つの詩に音と時間と想いを込めて)
この詩は
ジャズのスタンダード
「Fly me to the moon」の
冒頭部分で唄われる歌詞。
同じくジャズのスタンダード
「枯葉」とかもそうですが、
あまりに多くのアーティストがカバーしているので
どれがオリジナルなのか
分からないし、聴いた事もなかったりと、
まさに音楽の慣用句みたいな
こういう普遍性をもつ曲って凄いと
単純に思ってしまいます。
マスターピースであり、エバーグリーンですよね。
この
「Fly me to the moon」の歌詞、
大好きです。
特にこの曲の一番有名なフレーズに
乗っている言葉がもの凄く良いんですよね。
ちょっと自分なりに
つたない訳詞を付けるなら
こんな感じでしょうか。
歌詞の内容を察するに
女性目線の詩なのかな
という気もしますが、
ここはあえて男性目線で。
Fly me to the moon and let me play among those stars
(僕を月に連れてってよ
あの星々の中に埋もれて遊びたいんだ)
Let me see what spring is like on Jupiter and Mars
(火星や木星にやってくる春が
どんなものか知りたいんだ)
In other words, hold my hand
(えっと、言い換えるなら…手を繋ごうよ)
In other words, daring kiss me
(つまりあれだよ…キスしようよ)
Fill my heart with song and let me sing forever more
(僕の心を歌で満たして
ずっといつまでも唄わせておくれ)
You are all I long for all, I worship and adore
(君こそが僕の待ち焦がれた人、
崇めたくなるほど大好きなんだ)
In other words, please be true
(何て言うかな…君は君のままでいて欲しい)
In other words, I love you
(ほら、だ・か・らぁ!…愛してる)
以上。
この歌詞の
「In other words」って言葉が
凄く効いてますよね。
抽象的な言葉で前振りをしておいたあと、
「In other words(別の言い方をするなら)」
という言葉をきっかけにして
ストレートに心情を打ち明ける。
うん。
この振れ幅というか
バランスが実に良い。
この状況で言うところの
「In other words」が許容する
意味合いや状況、心情が
あまりにたくさん推察できて
それが味わい深いんですよね。
と同時に、
この詞の世界の全てを
「In other words」が物語っている
といっても良いように思います。
「もう!言わせんなよ!!」的な
言い訳がましい
「In other words」が
素敵としか言いようがないくらい
キュートでコケティッシュなんですよね。
だから…その…つまり、大好きです♪