XII. 優しくしなさい

優しくしなさい。
人にも、
そして自分にも。
特に何よりも
自分に優しく在りなさい。
「自分に優しく」というのは
「自分に甘く」と
似て非なるものがあります。
自分に甘く在る事は
その人自身を
堕落させますが、
自分に優しく在る事は
その人自身の心を
癒し、浄化する力があるのです。
自分を上手に優しく出来る人は
他者に対しても
繊細に呼応出来る人です。
自分に優しくすれば
自分の心に平安が訪れます。
自身の心の平安は
他者の心に寛容をもたらします。
故に
自分を上手に優しく出来る事は
他者に対してもまた
優しく接する事が出来るのです。
そして逆もまた然り。
人に対して優しく出来る人は
自分の内面に対しても
寛容なものです。
そもそも
自分に寛容でなければ
人に優しさを向ける事など
出来ないからです。
結局のところ
「優しさ」というものは
誰から誰へなどという
そういう次元の概念ではなく、
絶対的にそこに
唯一無二にそれを
存在足らしめる事が出来るかどうか、否か、
ただそれだけの事なのです。
つまり、
その場に「優しさ」が
存在するか、しないか、
それだけのものであり、
そこに方向性、指向性などは
持ち得ない、
固定された絶対的な概念なのです。