作り物の事件は規制できるけど、実話の事件は規制できないわけで

メディアでは
フィクションのコンテンツ、
例えば映画やアニメ、ゲームなど
過激な暴力的表現や性表現が含まれるものに関して、
(徹底されているかは別として)年齢の規制をしています。

法的に拘束されなくとも、
発信者が自主的に
あらかじめ、そういう表現があることを知らせる
タイミングや、機会、場所を持っています。

にもかかわらず、
『事実である』凄惨な殺人事件や性犯罪などは、
ほとんど、そうしたニュースを報じる時、
当然のことながら、
『フィクションであれば規制の対象になるような内容に
相当する現実の事件』に関しては、
前もって「配慮を促す告知」もなしに、
まして、年齢制限などあるはずもなく、
それが当たり前であるかのように
メディアで報道されてしまいます。

しかも、
どのようにして殺したとか、
どういう手口でレイプしたとか、
そういうことを
細かく報道します。

フィクションのバイオレンスやポルノを
規制するなら、
同種のノンフィクション、つまり事実のそれも
規制して然るべきなのではないでしょうか。

この質のニュースというのは、
事実である以前に、
「ひとつの情報」なのです。

犯罪を教唆しないよう
「作り話」は子供の目に触れさせないようにするけれど、
同様の「実話」は
無制限に垂れ流され、
しかも、人格形成の途上にある子供のいる食卓で、
家族までも、その「凄惨な実話」の話に
興じていては意味がないどころか、
「偽物の悪事」ではなく
「本物の悪事」ばかりが優先して流布されているのです。

思うのですが、
犯罪(の手口)の出所の多くは
ごく普通の報道にあるのではないかと。

まして、
劇場的、センセーショナルな犯罪というのは
その情報を得る人に影響を与えるし、
それゆえに「伝染」するのではないかと。

もちろん、
「知る権利」や「報道の自由」を
否定するつもりはありません。
それどころか、
当然、これらは
侵害されるべきものではないことも理解できます。

けれども、
影響力が大きいニュースというのは、
それだけ伝播する力もあるし、
その経路から闇が入り込んでくるという話は、
別に、単なるフィクションであるオカルトの
域の話であるとは
言い切れないように思えるのです。


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