Red – King Crimson

日も短くなり、寒くなって来ました。

晩秋の夜長に
夜なべをしながら
プログレッシブロックなるものを聴くのは、
実にまったりした過ごし方ではないでしょうか。
(以前、似たようなことを書いた覚えが・・・??)

プログレッシブロック、通称プログレは、
60年代の終わりから70年代の初頭くらいに
盛り上がったジャンルというか、ムーヴメントで、
それこそエルビス・プレスリーから始まり
ビートルズで花開き進化していった
「ロック」という音楽を
文字通り「進化」の方向に特化して追求していった
ロックの「いち」ジャンルと僕は解釈しています。

プログレというジャンルは今でももちろん
存在しますが、
現代ではどちらかというと、
ヘヴィメタルのバンドや、
あるいはテクノやエレクトロニカ系のアーティストが
プログレから生み出された
「方法論」だけが生き残り、それぞれの
フィールドに影響を及ぼしている、といった感があるかもしれません。

基本的に、プログレの曲というのは
10分オーバーの楽曲がザラで、
集中して「がっつり聴く」というよりは、
何か作業をするときのBGM的な聴き方の方が
疲れないでしょう。

現代でも、
テクノなどの打ち込み系の楽曲だと
10分そこそこある曲というのは普通にあるのですが、
純粋なロックのそれとなると、
今では珍しい部類になるのではないでしょうか。

が、そこが良い!

ロックが最もトンガっていた時代のサウンドを
10分とか、20分とか浴びせられる
この快感は、結構クセになります。
しかも、その10分以上の楽曲というのは、
デジタルなど当然のこと、
大した録音、編集技術もなかった時代に、
ほとんどの基本は
人間がバンドで、セーノで録って作ったものなのです。
そこを考えると、
すっかり退化した人類にとっては
今でも十分に、「プログレッシブ」に値するのではないでしょうか。

まあ、こういう複雑な方向にロックが振れてしまったからこそ、
のちに、そのカウンターとして
単純なロックの新しい形であるところの
「パンクムーブメント」が発生するわけなのから、
世の中、何がどうなるかなんて
本当にわからないものです。

キングクリムゾン自体、
実は、なんだかんだで、まだ活動をしている
現役のバンドなのですが、
おそらく、ステロタイプ的には
この曲あたりが「最後の曲」だと
思っている人も多いと思います。

そして、このアルバムは
心の底から震える。